陸上自衛隊訓練内容?新隊員の成長は反省で鍛えられた!元自の思い出

反省だけなら猿にもできる。

はるか昔のテレビCMで流れていたセリフ。

このセリフの「反省」という言葉が、まさか私の人生において忘れられない記憶になるとは思ってもみませんでした。

陸上自衛隊の訓練内容といったら匍匐前進や鉄砲ですよね。

でも、実際に陸上自衛隊に入隊した私にしてみれば、そんな訓練は二の次。とにかく反省、反省、反省の嵐。

反省っていったい何なのでしょうか?

また反省によって鍛えられるという真意とは?

新隊員から一人前になるまでの、元陸上自衛官の私の思い出話といきましょう。

陸上自衛隊の新隊員訓練内容とは?

陸上自衛官の任務

まず概要として、あなたにお伝えすること。

陸上自衛隊では様々な訓練を行っていますが、もっとも重要な任務があります。

➤陸上自衛官として「存在すること」

「存在することに意義がある」と昔からいわれてましたが、まったくその通り。存在しなきゃなにも始まらないわけですね。

さらに時代も変化して、陸上自衛官は様々な任務につくことが当たり前になってきました。つまり「存在するだけ」にプラスアルファが求められるようになったということ。

いまなら「災害派遣」が注目されてますよね。ニュース報道などで。それ以外にも戦闘訓練や警備、様々な資材運搬(ほぼ人力)、整備など多岐にわたります。

とにかく様々な任務のためにも総合的基礎体力は超重要。だからこそ新隊員の内から体力をつける必要があるわけですね。それも強制的に!

では、そんな自衛官の卵である新隊員はどのように訓練されているのかをみていきましょう。

新隊員の訓練内容

陸上自衛隊に入隊すると、最初の3ヶ月間を使って自衛官になるための訓練を受けます。この期間のことを「前期教育」と呼ぶ。

前期教育では以下のことを訓練していきます。

・服の着方、駐屯地内規則と生活の仕方
・「敬礼」、「休め」などの動作(基本教練という)
・武器取り扱い方法
・催涙ガス体験
・かけ足などの体育
・野外行動基礎(戦闘訓練も含む)
・反省という名の筋トレ

一番最後の部分。気になりますよね。「反省という名の筋トレ」!!

陸上自衛隊の新隊員になったら絶対に避けて通れないのが「反省」。

しかも!!

反省は日常生活のあらゆる場面に「ねじ込まれて」くるんですよ。そう、新隊員にとって日常生活こそが反省という名の訓練だった。

では、いったいどんな時に反省をさせられたのかをお話していきましょう。

新隊員を鍛える愛の鞭「反省」

「反省」。

自衛隊を経験した者にとって、これほど心にこびりついた言葉はないでしょう。

前期教育期間中いったい何回反省をしたことか。しかも朝起きてから夜寝るまで、反省の脅威は常にありました。

もっとも班長達(先輩隊員)が好む反省は「腕立て伏せ」。時間、場所、天候にまったく左右されない最強の反省メニュー。でも反省内容は班長の気分によって腹筋になったりスクワットになったりと、先が読めません。

さらに反省という名の筋トレで基礎体力もつくから、班長達にしてみれば一石二鳥。

そんなわけで、まずは「お仕事時間中」にねじ込まれる反省からお楽しみください。

鼻毛の処理不十分!

自衛隊では毎朝服装点検があります。

自衛官にとって外見はとくに重要なチェックポイント。そのため新隊員の内から服装の整え方を徹底的に指導されます。

そして細かいところまで自己管理できているかどうかをチェックされることに。これが厳しい!

●ひげの剃り残し!

●頭髪が少し長い!

●帽子がズレている!

●プレス(アイロンがけ)が弱い!

●ポケットのボタンのかけ忘れ!
※最近ではマジックテープになったようだ。

●目にやる気がない!

●鼻毛の処理不十分!!

鼻毛が出てても一般社会では誰も教えてくれませんよね。ところが自衛隊は違うんですよ。鼻毛すらも反省につなげてしまうという荒業。

(上記の)指摘事項1点につき、腕立て伏せ10回。つまり指摘事項10点あった場合は、朝っぱらから腕立て伏せ100回!!

本当にやらされるから、新隊員のほうも必死。朝の服装点検を終え、仕事中も反省の恐怖と戦わなくてはならない。

自衛隊は公務員なので17時には仕事が終わる。やっと気が抜ける~。

ところが!

反省は思わぬところからもやってくるのだ・・・。

続いては、日常生活が地獄に変わる反省をお楽しみください!

反省は連帯責任

自衛隊では外見(服装)が重要とお伝えしましたよね。これに関する忘れられない体験があります。

前期教育の同期数名が、仕事が終わって(課業後という)食堂へ行った時のこと。

仕事中以外であれば服装は自由なんですが、食堂や風呂に行くには駐屯地の規則が適用されるんです。

・頭には帽子
・上衣は戦闘服(昔は緑色の作業服だった)
・下はジャージ
・運動靴

まあ、街中では超浮いてしまう格好ですが、これが全国駐屯地の決まり。

ところが、同期たちは上下ジャージという超ラフな格好で食堂へ行ってしまった。さらに悪いことにその現場を班長に見つかった・・・。

夕食、風呂(メシフロという)後の19時に新隊員全員に召集がかかる。場所は隊舎前のアスファルト上。

何事かと思い、私も静かに整列していました。そこへいままで見たこともないような鬼面で班長が出てきた。

「本日、夕食にジャージ上下で行った者がいる。出てこい!」

きた~!とんでもない説教が始まるぞ!可哀そうに、鬼の反省をやらされるんだろうな、と私は他人事のように思ってたんです。

そう思ってたら意外や意外。とんでもない指示が飛んできた。

お前らはそこに立っとけ!

「罪」を犯した同期数名が私たちの正面に面と向かって立たされました。つぎに班長から出た指示が、

「お前らはそこに立っとけ! 残りの者全員、反省は腕立て伏せだ!」

はっ?!?!俺らかよ!

そう、「罪」を犯した同期たちはただ立ってるだけ。腕立ては「無実」の私たちがやるはめに。

風呂上りのサッパリ感は瞬く間に汗だく状態に。これでもか、と思うほど腕立てをやらされました。

班長からの解放後、「罪」を犯した同期たちはみんなに、ただただ謝罪。こうやって集団行動というものを教育されていったわけです。

1人のミスはみんなのミス。

この一件以来、一人ひとりの責任感が増した感じになりました。さらに教育についてこれなくなった同期をみんなでフォローし、全員で目標達成に向けて進むようになりました。

育まれた仲間意識。

一見無茶苦茶な反省でしたが、いま思えばよくできたやり方だったな~と感じています。(もうやりたくはないけど・・・)

3ヶ月間という短い期間でしたが、高校卒業まで生きてきた18年間よりも濃い経験を積めたと思ってます。

さいごに

以上、陸上自衛隊の訓練内容についてでした。

匍匐前進や武器の取り扱いだけが訓練ではありません。とくに前期教育という自衛官になるための期間では、1人1人の責任感と集団における仲間意識の構築に集中します。

この3ヶ月間で学んだことは、自衛隊を辞め、40代になったいまでも私の中に活き続けています。

反省はやがて私の「筋トレ趣味」に変化しました。

40代でも動き続けることができるのは、まさにあの時身についた私の財産だと思っています。

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