陸上自衛隊レーション(戦闘糧食)は、まず巷では見ることのないレアな存在ですよね。
深緑色の袋に入ったレトルトって、見ただけで不味そうな感じが。
私の経験からいえば、決して不味いわけではありません。なかには美味しいものもあるんですよ。
ただ、やはり隊員にとってレーションはあまり人気があるとはいえないんですね。
それはなぜなのでしょうか?
じつはとんでもない理由があったんです・・・。
今回はそんなレーションについてのお話といきましょう。
目次
レーションは必需品!でも不人気のなぜ?
自衛隊レーション(戦闘糧食)は隊員にとっては不人気の食事なんです。
レーションといえば、少し昔なら缶詰でしたが、最近ではすべてのレーションがレトルトパックになっています。
普通に暮らしている人にとってレーションは物珍しさからか、ちょいと興味を引かれるものですよね。
ところが隊員にとってレーションは、本音でいえば「勘弁してくれ・・・」という存在だったんです。
でも、それはなぜなのでしょうか?
レーションが不人気の理由3つ
レーションって、たまに食べる分には問題ないんですよ。
隊員も久々のレーションを見たときは、「ああ、今回は携行食なんだね」って言うくらい。
※部隊内ではレーションのことを「携行食(けいこうしょく)」と呼ぶ。
でもですね、自衛隊に1年以上勤務してるとそうもいっていられなくなることもあるわけですよ。
これから私自身の経験上の理由をお伝えしますが、他の隊員とも意見は一致してました。その理由3つは以下となります。
- 1日3食のレーションが数日間続くと、正直辟易する
- レーションを温めるアイテムがあまり使えない
- レーションが続くと便秘になる
では、それぞれの理由を細かく解説していきましょう。
1日3食のレーションが数日間続くと、正直辟易する
人間にとって「食べること」ってとても重要な部分を占めますよね。
家族で食事、友人と食事、大切な人との食事など貴重な時間を送るだけでなく、美味しいものを食べるだけでも幸せな気持ちになれるのが食というもの。
でもですよ!毎回レトルトパックばかりだと、もう私はエサを食ってるって感じになってしまうわけです。
そのため、自衛隊内ではインスタントラーメンが人気だったりもするんですよ。

もちろんレーションはとても優れたものであり、災害時などは本当に助かる非常食でもある。それは私も認めます。
それでも・・・、やっぱりレトルトの味っていうのが残るんですね。そんな食事が3食すべて、しかも何日間も続いたとなったら。
さらにレーションを食べるときに大きなストレスを感じることも発生します。
つぎにそのストレスについて説明しましょう。
レーションを温めるアイテムがあまり使えない
自衛隊で各隊員に配られるレーションは一度温められた状態。
配られてすぐに食べる分には問題はありません。ところが、レーションが続く場合は一気に数日分が配られることに。
当然、翌日には冷え切ってるわけですね。
でも安心。なんと温めるアイテムがあるんですよ。ナイロン製の買い物袋みたいな袋(色は深緑)とホッカイロみたいな加熱剤(その名もサバイバルヒーター!)。
深緑の買い物袋に水を入れ、サバイバルヒーターを投入。その上にレーションを入れて袋の口を縛るだけ!
しかーし。
温まるのに20分間も要してしまうのだ!(時間かかり過ぎだろ・・・)
しかもなかには不良品もあり、加熱剤が反応しないことも。私は1度その不良品にあたってしまい、温めたレトルトにありつくのに40分も費やしたことがあります。
40分って!? もうレトルトじゃないよ。
だけど、ここまではまだ許容範囲としましょう。レーションが続くことによる本当の悪夢を、次に紹介しましょう。
レーションが続くと襲ってくる「便秘」
いきなり汚い話で恐縮ですが、私は毎朝快調なんですよ。通常は便秘で悩むことはありません。
ところがレーションが2日以上続こうものなら、朝起きても生理的欲求がまったくこないんです。
そして下腹を押してみるとパンパン!!
訓練中に強烈な生理的欲求に襲われるのも怖いので、とにかくトイレにこもることに。

手で下腹をさすって大腸を刺激。欲求が少し高まってきた~と感じてからが本当の悪夢の始まり。
とにかく出ない!その上、かたい。
10分以上格闘して、出たのはちょろっとという悲しさ。
大半の隊員が同じ経験を積んでいます。そのためレーション配布されたときの隊員のセリフが、「また携行食か・・・」ってなるわけです。
不人気な理由、お分かりいただけましたか?
さいごに
以上、自衛隊レーションが隊員に不人気の理由3つをお伝えしました。
災害時などでは本当に重宝するレーション(戦闘糧食)。
それでも、日常生活ではやっぱり普通の食事を食べたいものです。食器に乗った温かい食事ほど美味しいものはありません。
レーション食べるのも訓練の一環だ!と言われればそれまでなのですが・・・。
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