振り打ちとは「フック」のこと。
正面の敵をまっすぐに突く「ストレートパンチ」とは違い、横から己の拳を打ち込む渾身の一撃となります。
じつはフックって全身を使った大きな運動量を生む動作なんですね。さらに拳を大きく振り回すという円運動まで加わるので、その刺激効果は絶大!
今回は振り打ちエクササイズを紹介していきますよ。
目次
空手の振り打ちエクササイズで鍛える個所

まずくびれ部分(画像赤丸)。円運動のもっとも中心となる胴体部ですね。
腹筋、背筋、腹斜筋(脇腹)、インナーマッスルが左右に捻られることにより大きな刺激をうけます。
つづいて広背筋(画像黄色枠)。振り切る動作で広背筋が大きく伸ばされ、刺激となる。
大胸筋(黄緑枠)もフックを打ち抜くときに使用する。
そして大腿四頭筋(青丸)。振り打ちは腰を落として行うと安定して繰り出せます。慣れてきたら腰を深く落としてみましょう。太ももに刺激をうけます。
空手技、振り打ちの円運動で得られる効果
得られる効果は以下3つ。
- 全身を使った大きな運動量を得られる
- ストレートパンチよりももっとストレス発散可能
- 心肺機能強化
では、ひとつひとつみてみましょう。
①、全身を使った大きな運動量を得られる
振り打ち。もっとメジャーな呼び方は「フック」。
拳を振り子のように打つので、円運動のモーションが腰から背中全体にかかります。また、胴体部を左右に捻る動きもはいります。
フックは全身を使って打つパンチなんですよ。
②、ストレートパンチよりももっとストレス発散可能
ストレートパンチ、空手技なら「順突き」や「逆突き」ですが、動きはとてもシンプル。ある意味、「点」を「刺す」だけ。なんか物足りない、なんて感じることも。
ところが振り打ちは横から横へ「ぶった切る」って感じなので、動きも豪快。連続で打てるようになると、かなり気持ちいいですよ。
③、心肺機能強化
振り打ちは横から横へ大きな動きをします。
動作一つ一つを大きくダイナミックにすれば、5割程度のスピードでも10発ほど打てばかなり息があがるでしょう。
ボクサーがよく練習している「シャドウボクシング」って、見た目よりもスタミナを消費することがわかりますよ。
円運動「振り打ちエクササイズ」やり方
ここからは私が学んだ極真空手の「振り打ち」を紹介します。
気軽に、楽しみながらエクササイズしてくださいね。
- ファイティングポーズをとる
- 打つ方の逆側にタメをつくる
- タメを開放し、反対側まで拳を振りぬく
- ②~③を繰り返す
フォーム

構え。
右手で打つので、右足を前にしてファイティングポーズをとる。前後左右に肩幅程度に足を開く。
膝を軽く曲げ、両つま先に体重を9割のせる。

右側へ上半身をググ~ッと捻って「タメ」をつくる。このとき息を吸いこむ。
拳はレバーあたりにリラックスして添え、いつでも打てるように。左手は頭部を守るように構えをつくっておく。(エクササイズとはいえ空手なのでww)

しっかり作った「タメ」を開放する。引き延ばしたゴムチューブが勢いよくもとに戻るイメージで。
息を力強く「フッ」と吐き出す。
肘の角度は90度をキープして打ち込もう!

狙う位置は中段。あなたの胸、またはみぞおち辺りの高さでOK。

あなたの真正面にいる(イメージした)相手をぶち抜くように打ち込む。
上画像の位置がもっともパワーがのるところ。肘は90度に曲げておく。拳の親指を上に向ける。これを縦拳(たてけん)といいます。

振り切る。
右に捻じった胴が左側へいっぱいに捻じれるまで振り切る感じで。
この振り切りが、円運動の効果を高める。
回数とセット
慣れるまでは5割程度のスピードで、モーションも大きく使ってエクササイズしましょう。
慣れてきたら6割、8割とスピードを上げていく。
以下を参考にしてみてください。
- 1セット目:右10回、左10回
- 2セット目:右15回、左15回
- 3セット目:右10回、左10回
あくまで参考例なので、あなたのレベルで調整してみてください。
胴体部を大きく捻じる動作なので初めから無理はしないようにしましょう。
まずは週2日からでOK。3ヶ月後に週3日に増やすような感じで、少しずつレベルを上げていけば大丈夫です。
焦らないことですよ。
「ため込み」と「振り切り」の重要性
胴体部を捻り込むこと(ため込み)により、もとに戻ろうとする「反発力」が生まれます。
この戻ろうとする反発力を利用してフックを打ち、ターゲットを弾き飛ばす勢いで振り切ります。
では画像でチェックしましょう。

ため込み。
右の振り打ちを行うので、まずは右側にギュウ~っと体を絞り込む感じで「タメ」を作ります。
ため込みが強ければ強いほど、大きな反発力が生まれる。
でも力まないこと。つねにリラックスする。このとき息を吸いこむ。

息を「フッ」と強く短く吐き出しながら、ねじった胴体部が戻る勢いに合わせて拳を大きく振り回す感じで打ち出す。
肘の角度は90度を維持。

振り切った拳は上画像の位置くらいまでいくように意識してください。
ため込みから振り切りまでスムーズに行います。スピードが上がれば円運動の効果も大きくなります。
振り打ちエクササイズの注意点
胴体部を大きく振り回す動きなので、腰に痛みや違和感を感じたときはエクササイズを中止しましょう。
また慣れないうちから全力で打ち込まないように注意。
内臓にも刺激を与えるので、2~3ヶ月かけて体を慣らしていきましょう。焦らないことです。
さいごに
以上、振り打ちエクササイズについての解説でした。
ストレートパンチとはまったく違うモーションでしたね。
この動きが大きな運動量を生み、エクササイズの楽しさを感じれる部分でもあります。
楽しみながらエクササイズしてくださいね。
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