一時期、ブラジリアン柔術に打ち込んでいたときのこと。
柔道の寝技と同じで、相手を押さえ込む必要がありますが、私はこれが苦手でした。
そこでレスラープッシュアップを筋トレに取り入れたところ、暴れる相手を封じ込めやすくなりました。
レスラープッシュアップの成果が出てきたわけですね。
腕立て伏せにダイナミックな動きが入り、かつストレッチ効果までが期待できるレスラープッシュアップ。
今回はレスラープッシュアップについて紹介していきますね。
目次
レスラープッシュアップと腕立て伏せの違い
レスラープッシュアップとは別名「ヒンズープッシュアップ」や「スイングプッシュアップ」とも呼ばれます。
通常の腕立て伏せは胸と二の腕を鍛え、体幹部も少し鍛えるメニュー。

レスラープッシュアップは胸、肩、二の腕、そして体幹部も含めたすべてをダイナミックに使って鍛えられるすぐれもの。

その分フォームも難しく、トレーニングレベルも少しハードになります。
文字通り「レスラー」とつくだけあり、レスリングや柔道などの組技系格闘技選手が行うメニュー。私も寝技格闘技をやっていたときによく行いました。
レスラープッシュアップで鍛える筋肉

レスラープッシュアップでは手幅を少し広めにとるため大胸筋(胸板)への刺激効果あり。(画像赤枠)
また粘るように上から下、そして上へ「スイング」するので三角筋も刺激されます。(黄色枠)
さらにフィニッシュで上体を押し上げる(プッシュアップする)ので胸筋と上腕三頭筋にも効果があります。(緑枠)
腰を上下前後に大きく動かすフォームになるので、体幹部にも刺激効果あり!
大胸筋全体を効果的に鍛えるのに適したメニュー
大胸筋は上・中・下の3つに分けられ、それぞれのパーツに刺激を与えるトレーニングが必要になります。
例えば、腕立て伏せなら中部がメイン。ディップスなら下部というように。
レスラープッシュアップは大胸筋(上・中・下)全体に刺激を与えられるという特徴があるんですね。
では、まずはやり方をみていきましょう。
レスラープッシュアップのやり方
- 両手両足を肩幅より広めに開く
- 臀部を上に高く突き上げる(スタート位置)
- 頭、胸、腹の順で床に擦る感じで下す
- 少し背中を反らせながら上体を上げる
- ②の位置へ戻る
すべての動作を動画よりもスローにしてみましょう。低回数でもかなりの効率で筋肉を鍛えることが可能。(その分、相当きつい!)
フォーム

スタート位置。臀部を高く上げ、両腕を突っ張った感じにする。

矢印の方向へ、頭からスライディングしていく感じで体を下げていく。

顔を床に擦っていくイメージで前方へ移動させながら、腰を落としていく。

頭部、胸、腹部の順で床に擦りつけるような意識で。
ここから体を上げるモーションに移ります。

頭頂を紐で引っ張り上げられるイメージで、目線を上に向ける。

上腕三頭筋をしっかり使って上体を押し上げる。このとき少し背骨を反らす感じにする。(反らし過ぎ注意!腰痛の原因に)
※私は椎間板ヘルニア経験者なので、背中はほとんど反らさない。
回数とセット
まずは動画と同じスピードで行ってみましょう。10回を目標にして、3セットを目指しましょう。
10回がきつい場合は、できる回数まででOK。
慣れてきたら、動きを超スローに変更して行います。
下げるのに6~8秒、上げるのに6~8秒。以下を参考にしてみてください。
- 1セット目:7回
- 2セット目:5回
- 3セット目:3回
あくまで参考例なので、力がついてきたら10回3セットを目指しましょう。
次にレスラープッシュアップの効率を上げるコツをみていきましょう。
効率を上げるコツ3つ
体全体をダイナミックに動かす
超スローで、かつ可動域をフルに使ってフォームを作りましょう。
ダイナミックさがないと可動域が小さくなり、鍛えたい筋肉に効果的な刺激を与えることができません。
床すれすれを時間をかけて擦っていく感じで
レスラープッシュアップの醍醐味は、飛行機が着陸するような感じで体を前方に移動させること。

この動きの中で筋肉が刺激を受けます。また動きの中でストレッチ効果も期待できる。
ゆっくりじっくりと、床めがけて着陸してみてくださいね。
上腕三頭筋でしっかりプッシュ
着陸したら、すぐに離陸しましょう!笑

離陸時に大胸筋をしっかりと締め、上腕三頭筋をフルに使ってプッシュ。ジェット戦闘機の急上昇のような感じで。
でも超スローを心がけてください。超スローがあなたの二の腕を引き締めますので。
レスラープッシュアップの注意点3つ
①、反り腰になりやすいので注意
レスラープッシュアップでは背中を軽く反る動きが入ります。(とくに下から上体を押し上げるとき)
これはレスラープッシュアップのフォームなので、軽く反ること自体は問題ありません。
ただ回数が重なって疲れてくると、大きく背中を反らしてしまいやすいので注意。(大きく反らすと押し上げるのが楽になる)
②、ダイナミックな動きなので「反動」に頼ってしまう
臀部を上に突き上げた状態から一気に下げ、また急上昇させる。
体の可動域を最大限に使うため、どうしてもスピーディになり反動も使ってしまいやすい。
上げ下げ時はつねに超スローモーションを心がけましょう。
③、肩に痛みがでたら中止を
臀部を上げた状態から体を下げるとき、頭部が下向きになります。

このとき肩関節にそこそこの負荷が。少しでも痛いと感じたときは、すぐに中止しましょう。
無理をして続けてしまうと、怪我に発展する結果に。痛み程度であれば3~4日もすれば治りますが、怪我になると完治(筋トレで痛みを感じないレベル)するまでに1ヵ月以上かかる場合も。
注意してくださいね。
レスラープッシュアップができない場合は
まずは通常の腕立て伏せからできるようになりましょう。
スローモーションの腕立て伏せが10回できるようになったら、レスラープッシュアップのスタート位置から下げる動きだけをしてみるといいですね。
押し上げる力は通常の腕立て伏せで充分養われているので。
段階的にレベルアップしていきましょう!
できる腕立て伏せから挑むのもあり!
腕立て伏せにはたくさんのバリエーションがあります。これらバリエーションを組み合わせることにより、効率よく鍛えることが可能となります。
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さいごに
レスラープッシュアップの解説でした。
このタイプの腕立て伏せはマイナーで、行っている人もそんなに多くはありません。
それでも大きな動きで効率よく、かつストレッチ効果も期待できるレスラープッシュアップ。
無理のない範囲で初めてみてはいかがでしょうか。
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